お店 トバゴト豆知識 生活支援サービス 食事 鳥羽の地域共生社会 お店, 地域共生社会, 神島, 買い物, 食事 sugiura3rd 2019年5月30日 0 コメント 「わたしたちの買い物」の持続可能性を考える。 以前、「近隣に食料品店が少ないと、死亡リスクが増加しやすい?」という記事を書きました。つまり、「買い物ができる」という”コト”には、実はとても大きな価値があるということでした。 この「買い物が出来る」という”コト”を、鳥羽市(各地域)で今後も持続可能な”コト”にしていく為には、 「地域の」そして「住民の」 “覚悟“が最も必要なのかもしれない。 今回は「イオン鳥羽店」さんと「神島の住民」による取組みから、わたしが感じたお話になります。 さて、今回のお話は、三島由紀夫さんの「潮騒」の舞台となった神島です。とても素敵な島なのですが、高齢者が買い物する手段が無くなってきているのです。 これに対する支援として、今でも集落支援員さんによる「買い物支援」などが行われていますが、当然限界があります。 また、このような地域課題は、鳥羽市において「離島だけの課題」とは言えず、鳥羽市全体の課題となってきています。 そこで、今回立ち上がってくれたのが、”イオン鳥羽店“さんです。 イオン鳥羽店さんは、神島の集落支援員さんが行っている「買い物支援」の現状を知り、立ち上がってくれたのです。 では実際に、なにを行ったのか? 上記の図のように、今回、イオン鳥羽店さんと神島の住民が協力して、欲しい商品が神島へ届く(試験的な)取組みを実施したのです。 手順は以下のとおり(*あくまで、今回だけの試験販売です)。 ①集落支援員さんを中心に、商品を購入したい高齢者に聞き取りを行い、商品内容を紙にまとめる。②まとめた商品内容をFAXでイオン鳥羽店さんへ送る。③イオン鳥羽店さんで商品の準備を行う。④定期船で、イオンの方2名が商品を持って神島へ行く。⑤イオンの方と神島の住民が協力して、定期船から商品を運び、商品を仕分ける。⑥その場で、イオンの方へ支払いを行う。⑦商品を自宅へ運ぶことが難しい高齢者に対しては、神島の住民が協力して、商品を家に運ぶ。 こんな”コト”が今回行われました。 さてここで、重要なポイントは、上記の赤字です。見てください。気が付きました? 赤字の部分は、すべて住民が参加している部分になります。 つまり、今回の買い物は「イオン鳥羽店さんだけでは、絶対に実現しなかった」という”コト”です。 今回のこの記事を読んでいただいて、「イオンさん、わたしたちの地域でもやってほしい」という声もあるかもしれません。 ただ、そこで1つとても重要なポイントがあります。それは「地域の」そして「住民の」 “覚悟“になると私は思いました。 「買い物のために、わたしたち住民はここまで出来ます」 「それなら、わたしたち民間企業もここまで出来ます」 「では、行政はこういう部分で支援できます」 「最初は上手くいかないかもしれないが、一度やってみましょう!」 このように、「わたしたち住民は、ここまで出来ます」という声(覚悟)がなければ、いくらイオン鳥羽店さんが協力してくれたとしても、仕組み自体が成り立たないのです。 この覚悟こそが、鳥羽市の、地域の持続可能な「わたしたちの買い物」を保つ最大の手段になってくるのではないでしょうか。 鳥羽市だけではなく、日本全体の人口が減少していくなかで、「行政がもっとやるべきだ」「民間企業の企業努力でしょう」だけでは、やはり限界があるのです。 だからこそ、日本では、厚生労働省によって「地域包括ケアシステム(厚生労働省HP)」や「地域共生社会(厚生労働省HP)」の実現に向けた”自助や互助”を中心とした取組みが推進されているのだなと、今回「イオン鳥羽店×神島」を通じて私自身も身をもって痛感しました。 あくまで、今回は、今回だけのお試しの取組みにはなりますが、離島に住む高齢者が「買い物」をする手段について考え、住民が取り組んだという、とても大きな結果を得ることが出来ていました。 これは持続可能な「わたしたちの買い物」へ向けた大きな・素敵な一歩だと思いました。 鳥羽市の皆さん、今後の神島からは目が離せませんね。 記載日:令和元年5月30日
sugiura3rd 三重県鳥羽市で合同会社MARUDOTを創業し、鳥羽市第一層生活支援コーディネーターとして活動中。週末は作業療法士の妻と伊勢市二見町でコーヒースタンド marudOT(まるドット)をオープンしている理学療法士です。ご依頼等があれば、是非お問い合わせください。.