トバゴト豆知識 鳥羽の地域共生社会 健康, 地域共生社会 sugiura3rd 2019年6月3日 0 コメント 鳥獣害が高齢者の健康を奪う? 先日、生活支援コーディネーターとして、鳥羽市が毎月実施している「自立支援型地域ケア会議」に参加しました。そのなかで、非常に興味深い「地域課題」の可能性が発見できた。 それは、鳥羽市の「鳥獣害が高齢者の健康を奪う?」という事です。 一見、イノシシや鹿、サルなどの害獣が、なぜ高齢者の「健康」に繋がるのか、と思うでしょう。 そりゃ、農作業に励んでいる高齢者も多いよな。だから、被害があるんだろう。いや、そういうことではありません。もっと根は深いのです。 では、見ていきましょう。 上記は、鳥羽市鳥獣被害防止計画(作成:平成29年2月1日)から引用した報告の抜粋です。 今回、大事なところを赤字にしました。 そう、鳥獣害は、生産者の「生産意欲低下を招いている」のです。 そうでしょうね。農家さんは大変だ。困るよね。いやいや、それで済ませないでください。 確かに、このデータは、農家さんを中心に作られたデータかもしれません。 でも、たいせつなポイントは、鳥羽市で農作物をつくろうと思ったとき、鳥獣害の被害にあってしまうという事です。 これに関しては、「農家さん」も「個人」も同じですよね。 ここで、今回のタイトルを思い出してください。 鳥羽市の「鳥獣害が高齢者の健康を奪う?」でした。 そして、たいせつなポイントは、鳥獣害があることで、「生産意欲低下を招く」ということです。 さぁ、ここで、鳥獣害と高齢者の健康をつなげていきます。 上記のように、鳥獣害による被害は、生産者の生産意欲低下を招いてしまいます。 そうすることで、高齢者の生産者(農作業を行う人)は、農作業を止めてしまう人も多い。 今まで野菜をつくることで、家庭内にあった、その「高齢者」の役割や生きがいが、そこで失われてしまう可能性が出てくるのです。きっと、外出機会も減っていきます。 そうなれば、閉じこもり傾向や、うつ傾向、認知症になる可能性も上がっていくかもしれません。 また、活動量が減ることで、運動機能が低下する可能性は確実に出てきます。 農作業というハードワークをしていた高齢者の時間が、テレビを見る時間に変わっていけば、筋肉や体力が落ちていくのは当然です、わたしたちもそうでしょう? こうやって、巡り巡って、鳥獣害での被害が、高齢者の健康を奪っている可能性があるのです。 高齢者の健康を保っていくには、医療や介護、福祉のチカラだけでは、厳しさがあるのです。これらを取り巻く環境と一緒に考えていかなければ、わたしたちの(未来の)健康を保つことはできない。 だからこそ、厚生労働省が掲げる「地域共生社会」の下記の図の中(厚生労働省:「地域における住民主体の課題解決強化・包括的な相談体制のイメージ」より引用)には、周りに、医療・介護・福祉ではない関係機関がずらりと並んでいるのです。 今回の記事にも大きく関わってくる「農林水産」もしっかり書かれていますね! こうやって、一見、高齢者や福祉に関係のないことも、実は密接に関わっています。だからこそ、こんな記事が医療・介護・福祉の現場とは違う方々に届けばいいなと思っています。みなさま、今後ともよろしくお願いいたします。 記載日:令和元年6月3日 lp
sugiura3rd 三重県鳥羽市で合同会社MARUDOTを創業し、鳥羽市第一層生活支援コーディネーターとして活動中。週末は作業療法士の妻と伊勢市二見町でコーヒースタンド marudOT(まるドット)をオープンしている理学療法士です。ご依頼等があれば、是非お問い合わせください。.